そうだ、ラーメンを食べたいなと思ったんだった。

朝から何も食べてないや、なにか食べよう。




そうだ、久々にラーメンでも食べに行くか。




家から歩いていけるところは・・・・


ここだな。



うん、ここにしよう。
開店前から人が入り口に集まってるな。




まあ、ちょうどいい時にきたものだ。ここに決めた。



スマートフォンいじっているのが一人。
車の中で涼んでいるのが・・・夫婦か。


後からSUVに乗った若者二人がやってきた。
話題は女の話題である。


―で、その女は脳内の女の話だろう?



腹が空いて空いて待っている時間が辛い。
空腹の辛さを紛らわすように携帯をいじる。


「○○屋なう」
呟きの文字が表示されただけで虚しいばかりである。


店員「あっ、少々お待ちください」



店の中で店員が開店の準備をし始める。
時間は開店から8分ばかりの遅れの「お待ちください」である。


待たせ屋だな。


ああ・・お腹が空いた。
今日は醤油かとんこつがあるのか。





店員「どうぞお入りください」
やっとお店に入れるようになった。
開店時間から15分の遅れである。
だがそんなことはどうでもいい、私はラーメンが食べたいんだ。


店員「奥からどうぞ―」


言われるとおりに奥からお客が座る。




あっという間に全席満員。





いい時に入ったものだ。満足。


順番に注文を聞かれる。


なんだこの店は、メニューが回りくどい品の名前をしている。
淡口ラーメン(醤油ラーメン)ってなんだよ。


とりあえず、私は醤油ラーメンを注文することにした。
「醤油ラーメン、玉子付き」

そしてとなりのお客の注文を聞きに流れた。






まいったな、豚骨にしておけばよかった。
だけど、もう後ろで席待ちのお客が要るんだよな・・・
仕方ない、今日は醤油ラーメンだけにしよう。


次から次へとお客が入ってくる。


そして、一番最初に私の醤油ラーメンが誰よりも早くテーブルに届く。

つくづく私は運がいいのだな。と思い知らされる。



割り箸と蓮華を取り食事を始める。


見たとおり普通の醤油ラーメンだ。
スープは透き通っている。
中身はきくらげ、ノリ、チャーシュー、追加の味付きゆでたまご


一口。  ズズッ

なんだこれは!醤油の味がせず、後に残る味もあっさりとしたダシの味が残る。



ズズッ


ハフ・・・ッハフ・・・ ズズッ


プフー・・・・


はむ・・・   はふ・・・





ブホッ・・・



チャーシューが思いの外、ホロッと崩れる。
それで咽てしまった。



ハム・・・   ズズズズズ・・・



フー
水で口直し。だが、これは水もまた美味しく感じられる。
水がスープのように。

もうスープしかなくなった。
おや?醤油の味がしてきた。
不思議だ。


今まで味わった醤油ラーメンより醤油の味がほんのりであっさりと口の中に残らない味だ。


改めて私は運のいいのだろう。こんな美味しいラーメンを食べられたのだから。
引き続き、ラーメンのスープを味わい、麺を啜る。


ズズ・・   ゴクゴク



完食。
「すみませんおあいそ。」
「730円ね。」


店の人がとなり席の人の連れだと勘違いしてたみたいで慌てて伝票を書きなおす。



こうして店を後にする。
「今日はいいことありそうだな。ドライブでもするか。」





この後、私は車に乗って駐車場を出た50m先で信号待ち中にトラックにオカマを掘られかけた。